シミ抜き代が高い理由と対策を解説

シミ抜き代が高い理由と対策を解説~シミ抜き代を安くする方法~

服にシミが出来ている事に気付いてクリーニングに持って行くと、高額なシミ抜き代を請求されて驚いた経験はありませんか?

この記事を読むと「何故シミ抜き代がそんなに高いのか?」を理解する事が出来ます!

シミ抜きをお願いしたら、新しい服が買えるような値段を言われたんですけど…。ぼったくりですか?!

お気持ちは解りますが、難しいシミ抜きにはそれだけお金を払う価値があるので、一概に”ぼったくり”とは言えません。
その価値についてクリーニング師の私が出来るだけ丁寧にご説明させていただきます。

クリーニング屋さんは全国津々浦々たくさんありますが技術も料金も同じではありません。

一部では”ぼったくり”と言えなくはないシミ抜きをされているお店もあるかもしれませんが、

本当に技術の高い職人さんならば、正直その料金を支払う価値があります!!

【シミ抜き代って高過ぎません?】

どんなシミでお困りですか?

ワイシャツの襟の黄ばみを落として欲しいと言ったら3000円と言われて…

ぶっちゃけ1枚数千円のワイシャツであれば、それに対してシミ抜き代は高過ぎると言われても何も言えません。

何故ならシミ抜きは商品の価値ではなく、シミ抜き技術に対する価値なので

1枚1000円のワイシャツでも、1枚10万円のワイシャツでも

同じ技術を要するなら同じ値段を請求されるのが妥当だと思います。

(1枚10万円のワイシャツなら商品の価値も上乗せされる可能性はあります…。後述

現代ではファストファッションでもデザインも機能性も高い良い商品が出ているので

「買った方が安い」物であれば私は迷わずそちらをオススメしています。

モノクロのクローゼット

【何故シミ抜き代が高くなるのか?】

当店での見積りは汚れの種類とシミの範囲、濃さを見て判断しています。

また、一部ブランド品など高額な服に関しては通常より高く見積もらせていただいています。

種類に関しては例えばボールペンのインクや泥汚れなどは落とし難いので時間が掛かりますし、

生地を傷め易いか?そうでないか?生地色が落ちないかどうか?などを判断して料金設定をしています。

範囲に関しては、広い範囲でシミがあるとそれだけ時間が掛かるので料金が上がって行きます。

色の濃さで値段が変わる理由

シミは時間が経つと徐々に濃い色に変わって行きます。

例えば汗は体から出た時は無色透明です。

しかし汗の成分であるマグネシウムなどと空気中の酸素が結合して、発色し黄色く見えるようになります。

更に時間が経つと薄い茶色→茶色→濃い茶色、とだんだんと色が濃くなって行くのです。

だんだん色が濃くなって行くと共に、生地に影響を与えます。

例えば繊維を脆化させて強い薬品を使うと繊維が溶けて穴が空いてしまったり、

色素を弱らせて、薬品を濯いだ時に地色が流れてしまったりします。

黄色の段階であれば酸素系漂白で簡単に落とせるようなシミであったとしても、

濃い茶色になってしまうとあらゆる薬品と、色直しという別作業が加わって

相当の知識と技術が必要になるのです。

”シミ抜き”ではなく”復元加工”

そこまで来ると”シミ抜き”ではなく、失った物を元の状態に”復元”する”加工”と言えます。

リフォームとかリメイクと同じような修理になってしまうのです。

クリーニング屋さんが「シミや汚れは見つけたらすぐに持って来てください」と言うのは

早い段階であればより簡単に落とせるからなんですね!

小まめに洗濯・クリーニングする事で、シミ抜き代も抑える事が出来ると思います。

ブランド品などのシミ抜き代

高額な品物に関しては、通常よりも高い料金設定をさせていただきますが、

その理由は、もし仮に事故があった際のリスクが高過ぎるから…なのです。

シミは色が濃くなって行くと生地に影響を与える、と言いましたが

リスクの高いシミを触って事故があり、服を台無しにしてしまった場合

高額な服代を弁償しなければなりません。

クリーニング屋さんにとっては非常に避けたい事態です。

専用の保険などもありますが、全て補償してもらえる訳ではないので

お客様との交渉次第では全額お店負担で弁償…という場合もあります。

(当店では「クリーニング事故賠償責任基準」というルールに則って弁償致します。)

このリスクに対する付加価値がシミ抜き代に上乗せされるとお考えください。

【シミ抜き代を安くする方法】

高いのは解りました。でもやっぱり高いのは痛いです…。

そうですね。ではシミ抜き代を払わない、もしくは安くする方法をご紹介します!

シミ抜き代を払わなくて済む、もしくは出来るだけ安くするには3つの方法が考えられます。

1.シミを放置しない

シミは色が濃くなって行くと落とすのが大変になると言いました。

しかしシミが薄っすら見える程度の段階であれば比較的安く済む可能性が高いです。

もしくは通常の洗いや無料で出来る範囲のシミ抜きで落ちる場合も結構あります。

従ってシミを見つけたら出来るだけ早くクリーニング・洗濯でシミを落としてしまいましょう。

2.シミを予防する

例えば汗ジミが良く出来るという方ならば、定期的に汗抜きをして汗汚れを落としておく事が望ましいです。

また、食べこぼしを良くしてシミになってしまうなら、撥水加工をして汚れを防止しておくのもアリです!

シミさえ作らなければ高額なシミ抜き代を請求される事はありませんので。

「汗抜き」「撥水加工」に関しては下記の記事をご参照ください!

3.自分でシミ抜きする

少し手間を掛けても構わない!という方はご自身でシミ抜きにチャレンジしてみるのもアリです!!

例えば襟や脇の黄ばみ程度であれば市販の漂白剤を用いればご家庭でも十分にシミ抜きする事が可能です!

何故なら、クリーニング屋さんでも同じような薬剤を使っているからです。

「酸素系漂白剤」と言われる物を使えば、黄ばみ、シミ抜き、臭い除去、など多くの問題を解決する事ができます。

もしご家庭で洗える物であれば、40℃くらいのお湯に酸素系漂白剤を適量入れて20分程浸け置きしてから

通常洗濯をすれば、かなり綺麗になると思いますのでお試しください!

オススメの酸素系漂白剤

【シミ抜きの”本来の価値”とは?】

ご家庭でも酸素系漂白剤を使えばかなり多様なシミ抜きが可能です。

実際に『クリーニング屋さんで「これ以上落ちません」と言われたシミを自分でやってみたら落ちた』という例を探せば

山のように出て来ます。

最初に述べたようにクリーニングのプロと言っても技術の差は千差万別だからです。。。

しかしご自身ではどうしようもないシミや、二度と替えの効かない思い出の品など

どうしてもプロに頼みたい!と言った商品なら

いくら高くても綺麗に取ってもらえるなら嬉しいはず。

それが本来のシミ抜きの価値です!!

プロは同じ酸素系漂白剤でもより効力を発揮させる方法を知っていますし

酸素系漂白剤以外にシミや汚れに効く薬剤を知っているので

家庭では出来ないシミ抜きが可能です。

また、もし生地に影響していて生地が弱っていたり色が落ちていても

復元する方法を心得ています。

そこまで出来る職人さんは全国でも限られますが、探せば割と身近にいると思います。

私もそのレベルを目指している一人です。

【まとめ】

今回は「シミ抜き代が高い理由と対策」について解説しました。

・シミは時間が経つと色が徐々に濃くなって行く

・シミは色が濃くなればなるほど取るのが難しくなり高くなる

・時間が経ったシミは生地に影響を与えて生地の脆化や色を弱らせる

・高額な品物は事故があった際のリスクが高いのでより高くなる

・酸素系漂白剤を使えば家庭でもかなりのシミ抜きが可能

クリーニング屋さんでシミ抜きを依頼する時に心得ておくと”ぼったくり”に遭わなくて済むと思いますよ!

投稿者プロフィール

みっちー(清水光博)
みっちー(清水光博)福屋クリーニング代表取締役
1980年生地元出身。クリーニング歴14年。まだまだ若手で日々勉強中!
自学の為にTwitterで毎日 #洗濯 #クリーニング を検索&リプ。合せてクリーニングや家庭洗濯についての情報発信を毎日Twitter・Instagramで1年以上続けています。

5歳娘の父。#テルボン と心が晴れる絵本「キミが泣いていたら」の作者。晴れた日とハワイとミスチル大好き。

【子育てパパママを応援!!】
国家資格クリーニング師/EMオーガニッククリーニング加盟/肌に優しいシャボン玉石けん使用/京技術修染会復元加工師

詳しい自己紹介は↓の「W」マークをclick!

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