クリーニングとオプションメニュー

クリーニングとオプションメニュー~オプションメニューをざっくり解説~

お店によって違いますがクリーニング屋さんには様々なオプションメニューがあります!

「クリーニングに出したのに全然綺麗にならない!」

そう思われている方に正しいクリーニングの利用方法

ざっくり解説して行きます。

細かい事はご利用されているクリーニング店に直接聞いてみてください。

恐らく「へぇ~そうなんだ!」と思われる事があると思います。

 

【クリーニングの種類】

クリーニングと言ってもお預かりした商品を全て一緒に洗っているわけではありません。

大まかに言うと一般的には”ドライクリーニング””ワイシャツ””水洗い”に分けて

洗って行きます。

①ドライクリーニング

ドライ溶剤という油(主に石油系)を使って洗うクリーニング方法です。

油汚れに強く繊維に干渉し難いのでウールやカシミアなどの動物性繊維を

機械力で洗う事が出来ます。

②ワイシャツ(ランドリー)

温水と高アルカリ洗剤で洗うクリーニング方法です。

綿やポリエステルなどの熱やアルカリに強い白物を主に洗います。

油性・水溶性どちらの汚れも良く落ちます。

③水洗い(ウェットクリーニング)

中性洗剤を用いてソフトな機械力で洗うクリーニング方法です。

水洗い可能な色柄物を主に洗います。

水溶性汚れは落ちますが油汚れはイマイチなのでドライクリーニングと

組み合わせてクリーニングするお店も多いと思います。

 

【オプションメニューが何故あるか?】

ここで注目してもらいたいのはそれぞれのクリーニング方法には得手不得手があり、

例えばドライクリーニングは油汚れには強いですが

水溶性汚れ(汗など)には弱いので

ドライクリーニングだけ毎回毎回していると

汗汚れが完全には落ち切らず蓄積して行きます。

すると時間経過と共に酸化して黄ばみとなり

これによって「クリーニングしているのに脇が黄ばんだ…」といった

事象が起こって来ます。

そのため、ドライクリーニング後に(あるいはドライクリーニングと同時に)

汗を落とす「汗抜き加工」というオプションメニューが加わります。

 

また、一度酸化してシミになってしまった汚れは

文字通り”シミ付いてしまっている”ので

通常のクリーニングだけでは落ちません。

そこで「漂白」や「シミ抜き」といった作業が必要なり、

同時に脱色や退色に対しても「復元加工」や「色掛け」といった

オプションメニューが必要になって来ます。

 

このように通常のクリーニングだけで対応し切れないプラスアルファの工程を

オプションメニューという形でメニュー化してきて現状に至っているのです。

 

【通常のクリーニングでは何故汚れは落ちない?】

そこで最初に戻って「クリーニングしても綺麗にならない」というご不満に

明確な回答を申し上げると、

「通常のクリーニングだけでは綺麗にならない汚れもあります。」

という事になります。

 

例えば”ご家庭で洗濯して落ちない汚れをクリーニングに出される方”もいらっしゃると思いますが、

ご家庭で落ちなかった汚れは恐らく激しい油汚れか色素(スス)の汚れ、

もしくは時間経過したシミ、紫外線による退色や変色、

だと思います。

ここでお客様の頭の中では「プロに任せれば綺麗にしてくれるだろう」となるのだと思いますが

クリーニング屋さんにとってのその汚れは、

①激しい油汚れ→一度水に濡れるとドライクリーニングでも落ち難くなる。

(そもそも水洗い出来る品物はウェットクリーニングで洗うので油汚れには弱い)

②色素(スス)汚れ→シミ抜きが必要

③時間経過したシミ→漂白(シミ抜き)が必要

④退色や変色→色掛けが必要

という事で「通常のクリーニングだけでは綺麗にならない」という判断に即座になります。

汚れの種類に関してはコチラの記事をご参照ください。

 

受付の方がそこまで理解していれば話は早いのですが・・・

そうではないお店も多々あり、

お預かり時にオプションメニューをオススメ出来ずお客様のご不満の基になってしまいます。

 

【基本の通常クリーニングはどんな汚れが落ちる?】

では普通に「クリーニングお願いします」と持って行っただけだとどんな汚れが落ちるのか?

例えばスーツやニットなどの家庭で洗えないウール製品ですと、

通常はドライクリーニングのみとなります。

ドライクリーニングは先ほど申し上げた通り油汚れに強いのですが

油汚れと言ってもサラダ油やラーメンの脂の汚れだけを落とすわけではなく、

空気中に漂う排気ガスは「油膜」で覆われているので実は服にはべったり油が付いていますし、

大概の食べこぼしには「油分」が含まれるのでこられらも落ちます。

肌に直接触れる部分では「皮脂」が服にこびりついて、これも落とします。

機械力と前処理等で水溶性汚れも多少落ちます。

 

またワイシャツなどは温水と高アルカリ洗剤で油溶性の「皮脂」や水溶性の「汗」

と言うようにどちらの汚れも落としてくれます。

ここに酸素系漂白剤も投入するので多少の「黄ばみ」も綺麗になります。

しかし、繊維の奥の奥で変色した襟・脇の黄ばみや

スス(不溶性汚れ)が繊維の奥に入り込んだ襟・袖の黒ずみ、

または色素汚れとなるボールペンのシミ、などは落ちません。

 

これらが「基本のクリーニング」となります。

 

【オプションメニューのご紹介】

上記の「基本のクリーニング」に対して「お客様の考えるクリーニング」(=期待値)の

差を埋めるのがオプションメニューだと思います!

 

ここではオプションメニューの特性と利用シーンをご紹介したいと思います。

お店によって全然呼び方も値段も違うと思うのであくまでご参考までに!

①汗抜き加工

先ほど書いたようにドライクリーニングでは汗は落ち難いので専用の水溶液に浸したり

専用の薬剤を投入したりして汗(水溶性汚れ)を除去するためのオプションです。

「水洗い✕」の品物で汗汚れが気になる人にオススメです。

水洗い出来る品物には必要ありません!

②ウェットクリーニング・ダブルクリーニング・ダブルウォッシュ

「水洗い✕」の品物でもクリーニング店によっては専門の技術で水洗いしてくれる所もあります。

汗抜き加工と同様に汗(水溶性汚れ)などを綺麗に落としてもらえます。

ドライクリーニング+ウェットクリーニングで「Wウォッシュ」というネーミングのお店もあります。

汗汚れなどが気になる人にオススメです。

③シミ抜き・漂白・復元加工・色掛け

通常のクリーニングでは落ちないシミ・黄ばみ・黄変、

シミや紫外線による影響を受けた退色・変色に対しての特別なアプローチです。

現代のクリーニング屋さんの技術の要!

通常、お客様が「クリーニングのプロ」にお願いしたい事の代表だと思います。

 

【その他のオプションメニュー】

上記のオプションメニューはお店とお客様の期待値の差を埋めるためのオプションメニューですが

他にも、期待値に「プラスアルファ」で付け足す事の出来るオプションメニューもあります。

④デラックスコース・ロイヤルコース・ハイクラスクリーニング

お店によって様々ですが、他とは違う「特別扱い」のクリーニング方法です。

洗剤や洗い方で差別を付けるお店もあるし、仕上げや包装に違いがあるお店もあります。

ハイブランドの品物や特別大切な品物、装飾品などが落ちて欲しくない品物にオススメです。

お店によって違うので「どう違うのか?」を確認してから利用しましょう。

⑤防水・撥水加工

クリーニング屋さんで行えるのは全般的に「撥水加工」になりますが、

市販の防水スプレーとは違い生地に浸透させて加工するので強力で長持ちするのが特徴です。

スキーウェアや冬服コート、ネクタイ等の汚れ防止にオススメです!

⑥防虫加工・防虫カバー・防蚊加工

主に虫食い虫を防ぐ加工。こちらも市販の防虫剤よりも強力で長持ち

加工剤を使わずカバーのみで対応しているお店もあります。

中には蚊を寄せ付けない「防蚊加工」をされているお店もあるようです。

防虫剤を使っているのに虫食い被害の多い人にオススメです。

⑦消臭加工

専用の薬剤を用いて臭いを除去するためのオプションメニューです。

ただし取れない臭いも多く、臭いは感覚的な物なので

個人的には難しいメニューだと思っています。

リユース・リサイクルで臭いが気になる人にはオススメです。

 

上記をざっくり図にするとこんなイメージです!

お客様とお店側の”クリーニング”イメージの差

 

他にも静電気防止や毛玉取りなどそれぞれのお店でメニュー化している物もあるので

一番大事な事はやはり受付で要望を相談してみる事だと思います!

 

【まとめ】

今日はクリーニングのオプションメニューについて書いて来ました。

・「クリーニング」の洗い方の種類

・通常の「クリーニング」だけでは落ちない汚れもある

・お客様の期待値とお店側の考える「基本のクリーニング」の差を埋めるのがオプションメニュー

・お店によってオプションメニューの種類や料金は全く違う

・お店で”どんな風にして欲しいか”希望を伝えて相談する

まだまだ「クリーニング」について一般の方とお店側で違った認識をしている事も多いと思うので

今後もその隔たりを埋めるようなブログを書いて行きたいと思います!

 

 



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