クリーニング事故があった時の対処法

クリーニング店では様々な化学薬品を用いて洗浄・シミ抜きをしています。

中には大変危険な物もあり、適切な管理が必要です。

しかし、そうでなくても思わぬ事故に繋がるケースは稀にあり、

今回はそんなクリーニング事故をいくつかご紹介したいと思います。

お店側としてもお客様の大切な衣類を何とか綺麗にしたい!という想いから

処理した結果が相反する物になってしまうので

本当に申し訳ない気持ちでいっぱいになります。

こういった事故がある事をお客様も理解しておいて頂けると、

双方にとって建設的な解決に繋がるパターンが多くなると思いますので

是非ご一読ください!

より多くの事故事例を見てみたい、という方はこちらをご参照ください。

クリーニング事故情報

【皮脂や紫外線によって色素が弱って流れてしまう事故】

海外製のダウンジャケット等に多く見られるのですが、

皮脂が残った状態で密閉保管していると、空気中のガスと反応して

襟などが変色する事が良くあります。

クリーニング後に保管しておいたら…、というケースが多いのですが

稀に「クリーニングする事で変色する」事もあります。

 

これは、保管中(使用中)に皮脂汚れや紫外線で色素と生地との密着度が

弱まっているところに、クリーニングする事で流れてしまうケースです。

 

お客様がクリーニングに出す段階では見た目ではほとんど変わらないのですが、

クリーニング中に色素が流れ、色の変化が目立ち、クレームとなります。

 

もし変色してしまっても、大抵の場合は色修正をしてほぼ元通りになるのでご安心ください!

このように事故があっても改善出来る物もあるので

まずは冷静にクリーニング店に掛け合って状況を説明しましょう。

 

【過酸化水素残留による事故】

過酸化水素は漂白剤の一種ですが、クリーニング店では良く使われる薬品です。

特にエリや脇の黄ばみには大体使います。

しかし過酸化水素は二酸化硫黄というガスと反応すると

硫酸に変化します!

硫酸の危険度は皆さん良くご存知でしょう。

肌が焼けるような事は聞いた事がありませんが、

服が焼けたように溶けてしまう事が稀にあります。

 

二酸化硫黄は石油・石炭を用いる機器から排出されるので

石油ストーブを気密性の高い部屋で使用して、換気をせず、

クリーニング(シミ抜き)後の服をカバーに掛けたままその部屋に置いておく

カバーの中で硫酸が発生して服が焼けただれるような事故が起こります。

 

こういった複数の条件が重なって事故になるケースもあります。

この場合も一旦冷静になってクリーニング店に相談すると良いでしょう。

残留による事故ならば大抵の場合補償してもらえます。

 

【ポリウレタンの劣化によるシルエットの変化】

以前の記事でも紹介しましたが、ポリウレタンという繊維は

3年が寿命と言われています。

購入してから、ではなく

服が出来てから、でもなく

生地が出来てから3年です。

 

もちろんもっと長く使用して変化の無い事もありますが、

逆に湿気や熱によって短くなる事もあります。

 

ポリウレタンが生地に使われており劣化すると、

伸びたり張りが無くなったりして、シルエットが変わります。

また、場合によってはベタツキや表面が剥がれたようにもなり、

一度こうなると修正は難しいです。

こちらもお客様がクリーニングに出される時は何事もなく普通に見えていて、

クリーニングする事で変化が起こる事がままあります。

 

お店としては事前検品やテスト洗いで注意する必要はありますが、

お客様の方でも生地や繊維にも消費期限がある事を知っておいていただくと

腹が立つ気持ちが少しは緩和されるやもしれません。。

 

【商品紛失・取り違え問題】

最後に、これは事故ではなくミスですが、

クリーニングに出した際に自分の物が無くなったり、自分のでは無い商品が返って来るパターン

がたまにあると思います。

これは完全にお店側のミスです!

お店側としてはそうならないように厳重にチェックしお返しする責任があります。

システムはPOSレジなど以前に比べれば改善されて来ているのですが、

人的ミスはたまに起こってしまいます。

 

この場合、受付の段階で伝票と品物を双方でしっかり確認して

間違いがあればその場で言う事が肝心です!

 

また、もしお店側が間違いないと強く主張して来て、どうすれば良いか解らない時は

国民生活センター・消費生活センター(TEL:188)に相談すると良いと思います。

場合によってはお店側を調査して解決の糸口を見つけてもらえるのでオススメです!

 

【クリーニング事故賠償基準】

様々なケースの事故を紹介しましたが、クリーニングにおける事故はまだまだたくさんあります。

お店のよっては独自の賠償基準を設定している所もあると思いますが、

大抵の場合は「クリーニング事故賠償基準」という

クリーニング組合が制定した賠償基準によって保障されます。

https://www.zenkuren.or.jp/media/1/jiko.pdf

 

ここで気を付けたいのは、衣類毎の平均使用年数と、購入時からの経過月数によって

補償割合が全然変わるという点です。

例えば、平均3年で買い替える商品は、3年以上経過すると半額以下まで補償額が下がります。

どんなに高級な商品でも、どんなに綺麗に使っていても、どんなに大切な衣類でも、

なかなか全額補償してもらえるケースはないと言えます。

 

要するに、使用年数や使用頻度に応じて、徐々に商品の価値は減って行き、

現状の価値によって保障される。と考えておくと良いと思います。

 

ただし、この賠償基準に照らし合わせるならば、お店側としてもいろいろ事前に説明が必要だったり、

相互確認などしておかなければならない事があるので、

もし何かあった時に対応できるよう、受け渡しでのやりとりはしっかり覚えておくと良いでしょうね!

 

【まとめ】

クリーニングは以前「クレーム産業」と呼ばれる程クレームの多い業種でした。

しかしそれはお店側とお客様の間にいろいろな情報のギャップがあったりして

誤解が生じているケースが多くあります。

もちろんお客様にちゃんと説明出来ていないお店側が悪いのですが、

少しでも嫌な気持ちをされる方がいなくなるよう

こういった情報発信も続けて行きたいと思います!

 

皆さんのご不満・ご不安、意見、クレーム等もお受けいたします。

何かございましたらコメントまでよろしくお願いします!

 

 




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