保管していた服にシミが出来ていたら

保管していた服にシミが出来ていたら~保管中に出来るシミの原因・対策・対応策~

衣替えで保管していた服を取り出したらシミが出来ていた!!

なんてご経験はございませんか?

クリーニングをして仕舞っていても

クリーニング方法や保管状況によってはシミが出来てしまいます。

今回は何故シミが出来るのか?という原因と

対策・対応策についてまとめてみたいと思います!

参考になれば幸いです。

 

【クリーニングして保管した服にシミが出来る原因】

この時期良くあるのが衣替えで服を入れ替えている時に

クリーニングをしてから保管していたのに半年程経ってタンスから出すと

クリーニングに出す前より酷いシミが出来ていた!

という事故です。

実際体験された方はかなりショックを受けると思いますが、

コレ実は結構良くある話です。

何故そのような事態が起こるのか?

これには3つの原因が考えれます!

 

1.クリーニングの問題

例えばこちらの記事でお伝えしているように

ドライクリーニングでは汗などの水溶性汚れは完全に落ちません。

その汚れ時間経過と共にシミになって現れます。

特にここから必要になって来る夏服は昨年汗をたくさん吸った

白地の綿や麻などの服が多いと思うのですが

これらを水洗いせずドライクリーニングだけで処理していると

大体半年後には黄ばみ・黄変・茶色のシミが出来てしまいます。

夏服をクリーニングに出す時は「水洗い」か「水洗処理」を必ずしてもらうようにしましょう!

 

2.保管状態の問題

一方お客様側で気を付けて頂きたいのは保管の状態です。

例えばクリーニングから返って来た服をそのままクローゼットに掛けて仕舞うのはNGです!

何故なら多くのクリーニング店で使っているビニールカバーは

お店から家までの移送中の汚れを防ぐための物なので

保管用ではありません。

そのまま保管すると中の空気が籠ってカビやシミの原因になります。

カバーは外してから保管するのが一般的なので覚えておいてください。

 

当店で使用している不織布カバー(片面不織布のカバー)でも

そのまま保管するのではなく一度カバーを外して空気に晒したり

時々クローゼット内を換気して空気の入れ替えをしてやる事をオススメいたします。

 

3.クローゼットの詰め込み過ぎ

もう一つ注意して頂きたいのは

クローゼット内(或いは衣装ケースに)にぎゅうぎゅうに服を詰めて保管する事です。

こちらも空気の循環が行われない事でカビやシミの原因、或いは虫食い被害の原因

となりますので保管する時はゆとりを持って保管される事をオススメ致します。

 

【クリーニングした服に何故シミが出来るのか?】

上で説明したようにドライクリーニングだけしかしていないと

汗などの水溶性汚れは服に残ります。

その汗の成分と、空気中の酸素と水分が化学変化を起こし

黄色や茶色に変色するのです。

 

また汗だけではなく、例えば透明の清涼飲料水などをこぼした場合も

汚れが残ってしまっているとシミになります。

 

難しいのは、クリーニング後に透明の汗や清涼飲料水の汚れは

目で確認出来ない点です。

従ってお客様の方で「汚れが落ちていない!」という確認が出来ません。

逆に言うとお店側の方でも「ここが汚れている」という自覚がないまま

お客様に返却せざるを得ません。

 

これはお互いにとってよろしくないですよね…。

せっかくクリーニングしたのだから次のシーズンも気持ち良く着たい物です。

 

【保管後のシミを防ぐ対策】

まずはしっかりクリーニングで汚れを落としてもらう事です!

当たり前と思われるかもしれませんが、実は意外に出来ない事が多くあります。

しっかり汚れを落としてもらう為にはクリーニングを預ける際に

どんな汚れがどこに付いているのかしっかり伝えましょう。

もし透明の清涼飲料水をこぼしてしまった場合や、汗をたくさんかいている場合は

どこが汚れているか?どんな汚れか?を伝え、

その上でどのような洗い方をするのかを確認をしましょう!

毛(ウール)やカシミアなど、水洗い出来ない品物の場合はお金がかかっても、

汗抜き処理や水洗処理を必ずお願いする事をオススメ致します!

 

次に保管状態については上で書いたように

クリーニングカバーは外し、クローゼットや衣装ケースにはゆとりを持って入れるようにします。

出来れば半日程陰干ししてから仕舞うと尚良しです。

時々換気をして湿気が籠らないようにする事が大事です。

 

ただし、防虫剤を使う場合は換気をすると防虫効果が無くなるので

防虫メインで保管をしたいのであればクローゼット・衣装ケースは締め切っておく方が良いです。

 

【もし保管中にシミが出来てしまっていた場合の対応策】

一番のオススメは、クリーニングしたお店に相談してみる事です。

良心的なお店なら責任を感じて、無料で洗い直し・シミ抜きしてくれる場合もあるでしょう。

(ただし汗抜き加工などをオススメされたのに断ってシミが出来ている場合などは

シミ抜き料金を別途請求されると思います。)

保管状況が原因の場合もあるので、一概にクリーニング店側に責任がある訳でもない事は

事前にご理解ください。

どちらにせよ「相談」だけなら無料なのでクリーニング店側の対応を見てみましょう。

 

次にオススメなのはお金は掛かりますがきちんとシミ抜きしてもらえる別のお店に依頼する事です。

シミが出来て時間が経ってしまっている場合などは下手に手を加えると

生地が破れたり着れない状態になったりするので

技術のあるお店に経緯を説明して、シミ抜きしてもらうのがオススメです。

ちなみに私が学んでいる京技術修染会は全国に会員さんがいらっしゃるので

もし技術があるお店をお探しであればこちらのサイトをご参照ください!

https://kyogijutsu-shiminuki.com/

 

どうしてもシミ抜き代を払わずに着れる状態にしたい!!

という事であれば、市販の酸素系漂白剤で自分で処理してみるのもありです。

市販の物でも上手く使えば十分に漂白効果があるので

シミになってそれ程時間が経っていないシミや、

色の薄い黄ばみでしたら

そちらで十分だと思います!

使用方法はラベルに従って処理してくださいね。

 

【まとめ】

今回はこの時期ありがちな、クリーニングして保管していたのにシミが出来ていた!!という

事故についての原因と対策、対応策を書いてみました。

・クリーニングして保管をしていてもシミが出来る事は結構ある

・ドライクリーニングしかしていないと水溶性汚れが残り、空気と化学変化して変色する

・保管状態が悪くてもシミや黄ばみの原因となる

・クリーニング前に汚れの状況と洗い方を受付で確認する

・シミが出来ていたら利用したクリーニング店に一度相談してみる

シミを見つけたら興奮して腹立たしい気持ちになると思いますが、一旦冷静になって上記の内容を思い出してみてください。

どんなに良いお店でもミスマッチは生じてしまうので、レッテル貼って利用を止めるのは逆に勿体無いと思います!

相談してからどんな対応をしてもらえるかでその後の利用は考えるようにすると良いでしょうね。

 

 



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