群雄割拠!高級ダウンブランドを解説
寒くなって来ましたね~!!
私は個人的に寒いのが超苦手なのでこの時期はどうしてもダウンが気になります。
近年はダウンの需要が高まって高級ダウンブームのようです。
一着数十万するようなダウンも市場に出回っています。
こういった高級ダウンをUNIQLOの数千円のダウンと同じように扱うのは
いろいろ問題が出て来るので
当店でも昨年から「高級ダウンメンテナンスコース」をメニュー化致しました。
そういった背景もあり今回は「知っているだけでカッコ良い」高級ダウンについて
書いてみようと思います!
【高級ダウンは何故高い??】
ダウンには中綿に水鳥の羽毛が使われており、主に「ダウン」と「フェザー」が中綿に使われます。
この「ダウン」はフワフワした芯のない胸毛で、保温性は高いのですが
一匹の水鳥から10~20g程しか採れません。
一方「フェザー」は「ダウン」以外の芯が付いている羽毛で、たくさん採れます。
高級ダウンに使われる中綿はそもそも高級な水鳥(地域や鳥種によって値段が違う)の「ダウン」をふんだんに使っており、
その製造過程でも「ダウン」の洗浄や精製に手間暇をかけているので
非常に保温性が高く暖かく軽い、という事でアウトドアブランドがまず取り入れました。
その後ファッションブランドがその機能性に注目し後を追う形でどんどん商品化して行ったので
今の高級ダウンブームが巻き起こりました。
このブームは未だしばらく続きそうなので今から購入しても未だ間に合いますよ!
【高級ダウンの種類と読み方】
高級ダウンってどんな物があるの?と思われる方のためにいくつかピックアップしておきましょう。
高級ダウンには良く左肩にブランドマークがデザインされているので
知っているだけで街で見かけた時ちょっと知ったかぶれるでしょう!
①MONCLER(モンクレール)
高級ダウンの定番と言えます。一着17~25万円程度。
光沢のあるナイロン生地にパンパンに詰められた羽毛が印象的です。
②DUVETICA(デュベティカ)
モンクレールより少し控えめ価格で一着8~15万円程度。
良質なグレイグースの産毛を使用していて軽量・保温・機能性に優れています。
③TATRAS(タトラス)
ブランド立ち上げに日本も関わっていて日本人の体形にも合う最高品質のダウン。
お値段も良心的な5~15万円程度。個人的に一番好きなブランドです!
④CANADA GOOSE(カナダグース)
その名の通りMADE IN CANADAに拘ったブランド。8~10万円程度。
ダウンなのに外面に縫い目を出さない仕様が多く、デザイン性が高いと評判。
⑤HERNO(ヘルノ)
大人向けファッションブランド。10~16万円程度。
男女ともに上品なシルエットが魅力的。
⑥PYRENEX(ピレネックス)
高品質でありながらコストパフォーマンスの高いブランド。5~9万円程度。
ダウンはピレネー山脈の厳しい環境で育ったダックのダウンを使用。
⑦THE NORTH FACE(ザ・ノースフェイス)
日本では一番有名かもしれません。アウトドアウェアの老舗ブランド。
お値段も2万円台からと買い求め易く機能性も抜群です!
⑧NANGA(ナンガ)
日本発祥のブランド。お値段も良心的な1.5~5万円程度。
温湿度調整機能が非常に高く、ダウン独特の嫌な臭いがほとんどしない。
【ダウンのクリーニングは何故高い?】
高級ダウンで無くても「ダウンをクリーニングしようとしたら高くて驚いた」という声は良く聞かれます。
ユニクロのダウンでしたら2~3回クリーニングしたら新品が買えるくらいの値段はしますね。
と言うのもダウンのクリーニングは通常のクリーニングに比べて2~3倍手間暇が掛かります。
例えば乾燥時間だけでも通常のコートやジャケットより倍以上時間を掛けて乾燥します。
ダウンは保温性を高めるために気密性の高い生地が使われているので、中の水分や溶剤がなかなか乾かないんですね。
更にキルティングや縫い目に沿って濡れたような状態に乾く「際つき」と言われる現象が起こり易く
下手をすると2度3度洗い直す事になります。
また、乾きが悪いと異臭がするのでクレームにもなり易い商品です。
よって相応のお値段を頂くことになります。
尚、当店の「高級ダウンメンテナンスコース」は更に特別な洗いで、
手洗い主体で一点一点汚れに合わせて細かくメンテナンスしていきます。
機械力に頼らない洗い方なので生地がへたったり中のフェザーが爆発したりはありません。
高級ダウンだからこそ大事に方にオススメのコースとなります!
【最近流行のシームレスには要注意!】
近年ダウンのクレームとして業界内で多いのが「シームレスダウン」の事故です。
シームレスダウンとは気密性を高めるために縫い針ではなく樹脂圧着でキルティング加工しているダウンで
ユニクロを初めファストファッションブランドから、高級ダウンブランドまで取り入れられています。
しかしこのシームレスダウンで使われている樹脂は「ポリウレタン樹脂」が多く、
過去の記事のでもお伝えした通りポリウレタンの寿命は約3年なので、
3年前後で劣化し剥がれて来ます。
キルティングが剥がれるとどうなるか?と言うと、中の羽毛が偏って保温機能は弱くなってしまいます。
また、ポリウレタンが劣化した状態でクリーニングに出すと、
「クリーニング前はキルティングが剥がれていなかったのに、クリーニング後に剥がれていた・・・」
という事故が良くトラブルになっています。
こういった現象はある意味仕方のない事なので、事前にお客様にご了承頂かなくてはなりません。
シームレスが普及し始めて4~5年になるので、去年まで大丈夫だった商品も安全ではない事をご承知ください!
【高級ダウンは家で洗えないの?】
洗えるか洗えないかで言えば「洗えます」。
恐らく汚れ自体は通常のお洗濯と同じようにすれば簡単に落ちるでしょう。
問題になって来るのは乾燥です!
先にお伝えした通りダウンは非常に乾き難いので
他のお洗濯と同じように干してもなかなか乾き辛いでしょう。
また、濡れた羽毛は独特の異臭を放ちますし、羽毛が濡れた状態で乾いてしまうと
ぺったんこになって保温機能は失われてしまいます。
そこでドライヤーを使ったり乾燥機を使うなど何とか早く乾かす工夫が必要になって来ます。
それらの手間を考えると信頼できるクリーニング店に出す方がコスパは良いと考えますがいかがでしょうか?
【まとめ】
最近流行の高級ダウンについて書いてみました。
・高級ダウンが高いのは素材が良く、機能性に優れているから
・高級ダウン市場は群雄割拠。機能性やデザイン性など選びしろは広い
・ダウンクリーニングが高いのはそれだけ手間暇が掛かるから
・シームレスダウンの寿命は約3年。キルティングが剥がれる事故に注意
・ダウンは家で洗えるが乾かすのに工夫が必要
今回挙げたブランドは有名なほんの一部に過ぎません。他にもたくさんの高級ダウンブランドがあります。
お気に入りの物があったら是非コメントで教えてくださいね!