衣類の消費期限と適切なクリーニング頻度

衣類の消費期限と適切なクリーニング頻度

衣類の消費期限やどれくらいの頻度でクリーニングに出せば良いのかお困りですか?

この記事を読むと「『クリーニング事故賠償基準』の定める衣類の消費期限と適切なクリーニングの頻度」について知る事が出来ます。

衣類には「消費期限」があるってご存知ですか?

そりゃ破れたりボロボロになったら捨てるけど、「消費期限」なんて決まってないでしょう?!

実は衣類にはそれぞれ「消費期限」が決まっています!

今回は『クリーニング事故賠償基準』に定められている「衣類の消費期限=平均使用年数」

オススメのクリーニング頻度について解説していきます。

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【『クリーニング事故賠償基準』とは?】

疑問

『クリーニング事故賠償基準』??何それ??

そうですね!ではまず『クリーニング事故賠償基準』について解説しましょう。

1.その前に「クリーニング事故」って?

お客様からお預かりした衣類をクリーニングすると

稀に色移りしてしまったり、破けてしまったり、品物が無くなってしまったり、

と、お店側にとっても思わぬトラブルに見舞われる事があります。

そういったトラブル全般を「クリーニング事故」と言います。

事故があるとお客様側からしてみれば「弁償して欲しい!」となるのは当然のこと。

しかしお店側にしてみても悪くない事例も実際には存在しており、

(例えば衣類メーカーに責任があったり、お客様の使用状況に問題があったりなど)

両者(或いは第3者も含め三者間)の間で揉め事に発展するケースがあります。

実は国民生活センターにはなんと年間6000件以上のクリーニング事故相談が寄せられているそうで

泣き寝入りなども含めると更に多くのクリーニング事故が全国で起こっていると考えられます。

2.『クリーニング事故賠償基準』とは?

そこで昭和43年にそういったトラブルを早期解決するために

クリーニング業界とその他の団体(消費者団体・弁護士・繊維業界・保険業界・学識経験者など)が集まって

一般的な指標となる基準を設けました。

それが『クリーニング事故賠償基準』です。

【衣類の消費期限とは?】

ポイント

『クリーニング事故賠償基準』にはいろいろなルールが定めれていて

例えば「こういった場合はクリーニング屋さんで賠償しましょう」とか

「こういった場合は利用者さんの過失が大きいので賠償の必要はありません」とか

が具体的に決められています。

その中で「衣類の平均使用年数」というのが明記されていて

それを「消費期限」と呼んでいます。

それを「消費期限」と呼んでいます。

1.衣類の消費期限

例えばワイシャツなどを30年着続ける人はいないと思いますが、

仮にいらっしゃったとして、そのワイシャツをクリーニングしたら繊維がボロボロになって

「破けた・・・弁償しろ!!」

と言われても、それは保障の対象ではありませんよーというのが定められているのです。

2.賠償額の計算方法

計算

詳しくは全国クリーニング生活衛生同業組合連合会(全ク連)のHPでご確認頂けますが

衣類の平均使用年数と、購入からの経過月数

そしてクリーニング前の衣類の状態から

賠償額が決まります。

例えば「使用期限が2年の衣類が、購入から約2年経過した時点で

クリーニング屋さんの過失で着れなくなった場合

クリーニング屋さんの過失で着れなくなった場合

元々のクリーニング前の衣類の状態を鑑みて

購入金額の約2~5割程度クリーニング屋さんに賠償責任が発生」

といった感じになります。

購入金額の約2割は賠償責任が発生します。

3.ポリウレタンの寿命

衣類とは少し違いますが伸縮性のある生地や合皮製品などに使われている

「ポリウレタン」という繊維があります。

このポリウレタンは生地が出来てから平均で3年が寿命と言われています。

3年を過ぎると繊維が切れて伸びたような状態になったり

コーティングがポロポロ剥がれたりして来ます。

ポリウレタンは使い勝手が良く、高級品であれブランド品であれ

とにかくいろんな所で使われていますが、

購入した段階で2~3年過ぎていると1年も経たないうちにボロボロになる…

というケースもありますのでご注意ください!

【衣類の消費期限とオススメのクリーニング頻度】

写真素材:クローゼットのスーツ

では具体的にどんな衣類がどれくらいの期限で設定してあるのかご紹介します。
合せてオススメしたいクリーニング頻度についても書いて行きますね!

1.スーツ

お仕事で普段使いされる方も多いと思いますが、

スーツの一般的な使用年数は3年とされています。

しかしスーツで使われている素材はウールやポリエステルが多いので

丁寧にケアをしてやれば寿命を延ばす事も難しくはありません。

おすすめのクリーニング頻度は月に1回程度

夏の汗を良くかく時期はズボンだけでも1~2週間に1度

汗抜き加工も利用してクリーニングされる方が良いでしょう。

2.ワイシャツ・ブラウス

基本的に毎日変えると思いますが、毎日クリーニングに出されるのは経済的では無いと考えます。

なので普段はご家庭で小まめに洗濯し、襟や袖の汚れ具合を見ながら

月に1度程度クリーニングに出されるのが良いかと思います。

ワイシャツの平均使用年数は2年

ブラウスの平均使用年数は3年、とされています。

ワイシャツは綿素材かポリエステル素材かで汚れ具合やシワが変わって来ます。

どちらかと言うとポリエステル系の方が汚れ難くシワも付き難いので

アイロン掛けが面倒な方にはポリエステル系のシャツをオススメ致します。

写真素材:クローゼットの中の洋服

3.紳士ズボン・婦人パンツ・スカート

ズボンやスカートに関しては夏服と冬服で使用年数が変わります。

夏服だと2年

冬服・合服だと3年~4年、となります。

クリーニング頻度は月に1度程度をオススメしますが、

ズボンやスカートは汚れ易い傾向があるので、

基本的には汚れたら持って行く、という感覚で良いと思います。

4.コート・ダウンジャケット

お気に入りのアウターは常に手元にないと不安かもしれませんが、

シーズン中に最低1~2回のクリーニングをオススメ致します。

10月・11月~翌3月・4月まで使い続けると、

かなり汚れが頑固になるので落ち難くなります。

下手をするとシミ抜きが必要になり、余計高く付く事もあります。

コートやダウンの平均使用年数は3~4年とされています。

しかし、生地や縫製がしっかりしている事が多いので基本的にはもう少し長く着られると思いますが、

それでも5年くらいを目途に処分を考えられると良いと思います。

写真素材:衣替え Tシャツ 収納 整理整頓

5.セーター・カーディガン

ニット類の平均使用年数は2~3年です。

一般的には天然繊維より化学繊維の方が長持ちする傾向があります。

また、天然繊維は害虫被害を受け易い傾向もあります。

そういった理由で天然繊維の方が寿命は短いと考えて良いでしょう。

オススメクリーニング頻度は月に1度程度ですが、

汗や臭いが気になる場合はその都度すぐにクリーニングをオススメします。

6.ジャケット・ワンピース

婦人物のジャケットやワンピースは脇の黄ばみが目立って来てクリーニングに出される方が多いように感じます。

しかし、黄ばみが目立つという事はすでに汗が酸化して生地にしみ付いてしまっている状態です。

従ってあまり汚れたように見えなくても月に1度程度はクリーニングしましょう。

その方がより経済的に、綺麗に、長く着続けられると思います。

また、ジャケット・ワンピースも夏服と合冬服で平均使用年数は違いますが、

夏服は2年~3年、合冬服は4年とされています。

写真素材:寝室 #2

7.布団・羽毛布団

毎日使うお布団ですが小まめに洗う事は逆に良くありません。

カバーを洗う事で清潔感を保ちつつお布団自体は数か月に1度程度洗うと良いでしょう。

(汗を良くかかれる方はもっと頻繁に洗った方が良いでしょう。)

ただし、お子様がいらっしゃる場合はアレルギーや小児ぜん息の原因となるダニが発生してしまうので

1ヶ月くらいで洗った方が良いかもしれません。

使用期間は掛布団が5年程度、敷布団が3年程度とされています。

8.カーテン

カーテンはなかなかクリーニングに出す機会が少ない布製品だと思います。

しかし、夏は紫外線をたっぷり浴びて、冬は結露でカビだらけ…

更に埃もかぶって、最も悪条件のファブリックかもしれません。

そんなカーテンの平均使用期間は5~8年と言われます。

どんなに高価なカーテンであっても、10年もすれば見た目以上にボロボロな事も多いです。

クリーニングは出来れば年に2~3回はしてもらいたい所ですが、

最低でも年1回はクリーニングしてケアしましょう。

【衣類の消費期限はあくまで「事故賠償」の目安】

なるほど、じゃあ使用期限が過ぎたら捨てた方が良いの?

いえいえ、ここまで説明して来た年数はあくまで「平均使用年数」であり「事故賠償」の目安、なので大切に使っていただければもちろんもっと長く使っていただく事も可能です!!

1.丁寧にケアすればもっと長く使える

「平均使用年数」を見て「短い!」と感じませんでしたか?

そうなんです!実際はもっと長い間使われていると思います。

これはあくまでも「クリーニング事故」が起こった際の「賠償基準」であって

丁寧にケアしてやれば何倍もの長い期間、普通に使える場合が多いと思います。

ではどのようなケアをすれば良いか?というと

「汚れの適切な除去と湿気や害虫から守る保管管理」

という事になります。

2.クリーニング店選び

「汚れの適切な除去」となるとクリーニング店のお仕事ですが

クリーニングなんてどこも同じ、と思っているなら大間違いです!

溶剤管理が出来ていなくてクリーニングする前よりも汚れて返って来るような

クリーニング店も実際にあります。

ドライクリーニングだけでは汗汚れは落ちないのに、汗抜きをしないのも

衣類にとっては良くありません。

本当に信頼できるお店に出してこそ「汚れの適切な除去」が出来るんです。

3.保管方法

更に保管時の状況も衣類の寿命を左右します。

防虫剤や防虫カバーを使って害虫から衣類を守ること、

そして定期的な換気や除湿剤を使用してクローゼットの中の湿気を

排除してやる事も大切なんですよ!

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【まとめ】

今回は「衣類の消費期限と適切なクリーニング頻度」について解説しました。

・クリーニングによる衣類のトラブルを「クリーニング事故」という

・クリ ーニング事故の賠償に関して一定の基準を示した『クリーニング事故賠償基準』というものがある

・『クリーニング事故賠償基準』には衣類毎の平均使用年数が明記されている

・平均使用年数の事を「衣類の消費期限」と呼んでいる

・平均使用年数はあくまで目安であり、丁寧にケアすれば何倍も永く着る事が出来る

新しい服を買って来ても、一度でも袖を通してしまえばそれは「中古品(古着)」となり、売ろうと思えばかなり減額されるはずです。

それを思えばクリーニング事故があった際の賠償はかなり条件の良い規定になっていると感じますね!

(元々事故があってはいけないのですがね…)

投稿者プロフィール

みっちー(清水光博)
みっちー(清水光博)福屋クリーニング代表取締役
1980年生地元出身。クリーニング歴14年。まだまだ若手で日々勉強中!
自学の為にTwitterで毎日 #洗濯 #クリーニング を検索&リプ。合せてクリーニングや家庭洗濯についての情報発信を毎日Twitter・Instagramで1年以上続けています。

5歳娘の父。#テルボン と心が晴れる絵本「キミが泣いていたら」の作者。晴れた日とハワイとミスチル大好き。

【子育てパパママを応援!!】
国家資格クリーニング師/EMオーガニッククリーニング加盟/肌に優しいシャボン玉石けん使用/京技術修染会復元加工師

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