クリーニングのカバーとハンガー有料化へ?

「コンビニのスプーンやアメニティなど12品目を有料化へ…」

https://news.tbs.co.jp/newseye/tbs_newseye4344420.html

というニュースが政府から発表されました。

要点をまとめると、

・来年4月から

・対象:コンビニ、ホテル、クリーニング店など

・年5トン以上消費している事業者

・ポイント還元などの工夫を事業者に求める

という事らしいです。

 

クリーニング店の対象品目はプラ製のカバーとハンガーですが、

当店は5トンも消費しようもないので対象外ではあります。

しかし実は10年以上前からハンガーやカバーは無くしても良いんではないか?(有料化ではなく)

と考えていたので、

今回はカバーやハンガーを有料化にするメリットやデメリットに関して考察してみたいと思います。

 

【クリーニング店のカバーの役割】

まずクリーニング店のカバーに関してですが、

こちらは「移送中の汚れ除け」という役割があります。

お店から家までの間に汚れないように…

というのがメインの役割です。

ちなみに、そのまま保管用として使われている方もいらっしゃるかもしれませんが、

それは絶対にNGです!

中に湿気がこもってカビや変色の原因になったり、

お店によってはドライ溶剤が残留していて事故になるケースもあります。

当店では保管用も兼ねて半面不織布を採用していますが、

基本的にはカバーは外してから保管するようにしてください!

 

また、もう一つのクリーニング店側から見たカバーの役割として、

「保管中の汚れ除け」という側面もあります。(※自宅での保管とは区別願います。)

クリーニングが仕上がってからお客様が引き取りに来られるまでの埃や、

思わぬ汚れを付けないためのカバーです。

当店のように比較的お預かり期間が長いお店ではこれは大切な事だったりします。

 

【クリーニング店のハンガーの役割】

次にハンガーについて考えますと、

ハンガーは自宅でそのまま利用されている方が多いんじゃないでしょうか?

新しくクリーニングしたらその都度捨てるか、もしくは溜まってからクリーニング店に返す

という方もいらっしゃると思います。

ハンガーはカバーに比べると再利用率も高く、使い捨てのイメージはあまり無いと思います。

お店によってはポイント還元や現金値引きなど、すでにされている店舗も多いですよね!

 

お店側の都合としては、ハンガーもカバー同様保管中のメリットが大きいです。

全て畳んで保管しておくとなると相当管理が大変になりそうです。

 

【10年前から要らないと思っていた理由】

とは言えカバーもハンガーもコストではありますし、

プラ製品の使い捨ては確かに環境的にも良くないので、

失くして良い物なら失くした方が良いと考えます。

 

ここで私の個人的な意見を申しますと、

例えば洋服屋さんで購入した服はハンガーもカバーも付いていません。

しかし、「綺麗な物」としてそのまま着る事が多くないですか?

一度も着る前にクリーニングされる方もいらっしゃるかもしれませんが、

稀だと思います。

(でも実際は他人がベタベタ触って試着なんかもされていて、実は汚いんじゃないか?と思っています。)

 

なのでクリーニング後も清潔な管理がきちんと出来て、受け渡し袋にそのまま入れてお渡しすれば

環境的にも良いし、経費削減=料金値下げ、に繋がるんじゃないか?と考えていました。

ただ、実際の所は上記に挙げた理由などからそこまで思い切った戦略を取る事が出来ずに10年経ってしまいました。

(もう一つ、調べたわけではないので定かではないのですが、

「クリーニング業法」でカバーを付けて渡す事が義務付けられている…という話を聞いて断念しました。)

 

ここで1つ付け加えておくならば、「カバーもハンガーもコスト」と最初に申しましたが、

要は現在の料金設定はそれらを込み込みで各社値付けされているはずなので、

言ってみればすでに「有料化」されているんです。

ここは消費者として押さえて置きたいポイントです!

有料化になったらクリーニング代金は値下げされないとおかしいです。

 

【カバーやハンガーが有料化になるメリット】

さて、ここからはメリット・デメリットを考えてみたいと思います。

まずはメリットですが、

・環境に良い?

・ゴミが減る

・経費削減≒料金値下げ

・保管時にプラ製カバーを外して、、、と言わなくて良くなる

・売上アップ?

 

と言った事でしょうか。

レジ袋有料化で確かにエコバッグを利用する人は増えました。

しかしそれがどれくらい環境のためになっているのか?という点は疑問が生じます。

また、レジ袋と同等の手提げプラ袋の業績が伸びていると聞きますと…

 

経費削減≒料金値下げに関しては、レジ袋に至ってはほとんど見受けられないので

今度も無いと言えるでしょう。

むしろハンガーやカバーを「有料でも良いから付けて」と仰る方がいらっしゃれば

その分の売上アップにはなるかもしれませんが…

要するにあまりメリットはない、という事になります。

 

【カバーやハンガーが有料化になるデメリット】

次にデメリットですが、

・保管中、移送中の埃・汚れによるクレーム増加

・持ち帰りが不便

・持って帰ってから仕舞うまでの扱いが不便

・余計なシワが出来る

・お店での受け渡し時の手間が増える

・お店での保管中の管理が大変になる

・お客様からハンガーやカバーの預かりが増えて管理が大変になる

・実際はコストアップになる

 

など考え出すと結構出て来ます。

コンビニのスプーンやストローとは訳が違います!

恐らく多くのクリーニング店で困惑が生じるでしょうね。

ここは大手さんに人柱になって頂いてどのような対応がスマートか

実証実験をして頂きたいと思います。

 

【考えられる今後の方向性】

恐らく4月から大手さんは有料化になるでしょう。

しかしそこで様々な問題が生じて、対応が迫られる事になると思います。

個人店は今まで通りか、潮流に乗って一部有料化を導入する所もあるかもしれません。

先ほど言った「値下げ」が実施されるかは不明です。

 

更に、今後は紙製のハンガーやカバーの開発が進むと思います。

ハンガーはすでにあるのですが、1本あたりのコストが高いので

この辺りがもっと安価になり、カバーも紙製の物が流通するようになると、

今までと何ら変わりなくクリーニングをご利用頂けるようになると思います。

そうなれば個人店も紙製ハンガー・カバーを使い易くなるので、

環境的には良い流れになるでしょうね。

 

【まとめ】

以上、クリーニング店から見た今回のニュースに関しての考察でした。

・カバーは「移送中の汚れ除け」

・ハンガーは再利用可能ですでに回収再利用している所も多い

・すでに料金に含まれている(「有料化」されている)

・メリットは環境に良い事?

・デメリットは多数考えられる

 

全体的にパフォーマンスの気配を拭い切れませんが、それでもプラ製品が環境に及ぼす影響は確かにあるので

当店としては上手くバランスを取れる未来をお客さんと一緒に描けたら良いなーと感じております。

宜しければコメントなどでご意見ください!

 

 




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